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揚げ高野豆腐丼。

月曜日。花子は学校が夏休みなので、久しぶりにひとりでバス停まで歩いて出勤。大通りの角の店で毎朝佇んでいた爺様の姿がみえないので、大丈夫だろうかと思いました。お昼は弁当。夕刻さっさと退社してぶどうジュースとバナナを買って帰宅。帰宅してシャワーを浴び、ぶどう酒の蒸留酒をソーダで割って飲もうとしたらそれが自家製ビールだったので、内儀とビールと柿ぴー。内儀とビールと柿ぴー。まるで「貴方と夜と音楽と」みたいだ。それからソファに寝転んで開高健「輝ける闇」を読んでいたと思ったらぐーぐー寝ていました。起こされて夕食。揚げ高野豆腐丼。これは内儀の工夫になる傑作でありまして、まず高野豆腐を鶏の胸肉みたいに味付けして唐揚げし、それを炒め野菜といっしょにあんかけにして丼にしたものです。鶏肉にしては整った立方体だな、と思ったら鶏肉じゃなかった、という趣向。楽しい。旨い。
食後、また酒を飲みながら「輝ける闇」を読了。テレビ部屋では内儀と月子が懐かしい映画「ゴースト」を観ていて、主題歌の「Unchained Melody」が聞こえてきます。生まれたばかりの月子をだっこして一所懸命に語りかける新米の父(我が輩)のBGMだった曲です。ただし我が輩のBGMはハリー・ベラフォンテ版。

さて、輝ける闇。
イラクで三馬鹿トリオ+2が拘束され、シリアでも拘束され殺され、さらに信濃毎日の現役記者が休暇を取って戦地にいって拘束され、というふうに続いているのだけれど、イラクでもシリアでもひとりの開高健も出ず、秋元啓一も出ない、なーんて昨日どこかに書いた気がする。

考えてみれば開高健がベトナムで九死に一生を得たのが1965年。そのころにはインターネットなんかなく、もちろんツイッターもフェースブックもない。

我が輩が最初の外国イラクに行った1983年だってそんなもんはなく、女に振られたのを知ったのはその手紙が書かれた3週間後だった。つまり手紙がバグダッドに届くまで3週間かかったっちゅうこっちゃね。そこをなんとか考え直してくれないか、なーんて返事がむこうに届くのにまた3週間。自分で折り合いをつけるしかない。

何が言いたいかというと、開高健は自分の体験、目前でおこったことをゆっくり熟成させて言葉を選ぶ時間がたっぷりあったということ。いまはツイッターで「屍体なう」みたいにすぐ発信できる。自分の目の前でおこったことはとりあえず事実なのだけれど、真実は別のところにあるかもしれない。そんなことを考える間もなく発信できてしまう今日この頃である。きっとツイッターの時代と開高健の時代は、人間の記憶パターンが違うのだろう。記憶パターンが違うから記憶力も違う。外部ディバイスとかクラウドにメモリーを預ける現代。いっぽうでカメラどころかメモすら持てない現場。事実と見えたものは自分の内部メモリーに蓄積するしかなく、蓄積されている間に熟成され編み直され、自分にとっての真実に昇華する。

そういうことなのかな。

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