さてこないだ書いたと思うのだが、塩尻のむこうの山形村の唐沢そば集落の「水舎」のカウンターで見かけたそば焼酎「峠」・・・あちこち探したのだけれど、売っている店がない。茅野のマルボクは昔ながらの酒屋さんで、とてもユニーク。我輩の大好きな中国の白酒(ぱいちゅう)だけで5種類くらい在庫がある。しかも、やまやよりずっと安価。ま、いずれにせよやまやは長野県にないんだけど。そのマルボクにもない。 そのあいだ我輩は、安物のそば焼酎をたんと飲んで感覚を鍛えてきました。メジャーなのは九州勢。「雲海」とか「めちゃうま」とか、ニッカが出している「玄庵」とか。然るにほとんど違いがわからない。そば焼酎同士の違いがわからない。蕎麦焼酎は麦でもなく芋でもない、という程度しかわからない。それでも、麦や芋よりよっぽど旨いと思う。 通販もいいのだろうけれど、初めての酒はやっぱり対面で買いたい。蓋し「峠」は佐久の酒なので、八ヶ岳のこっち側では売っていないんじゃないか。佐久とか上田はいわば、千曲川文化圏。ならば上田で探してみようと思い、月子を送っていったついでに、まずメジャーなツルヤ。ありました。けれど、38度で3800円の最高級のみ。720mlでほぼ4000円なら、そこらへんのスコッチより高いやんけ、と見送り。そしてもっとローカルな、スーパーやおふく塩田店で25度バージョンをついに発見。うれしかったなあ。ついでにもっと安い「草笛」も入手。これも佐久のそば焼酎。 さて、憧れの「峠」だ。グラスに注いで鼻を近づけると、濃厚なそばの香りが漂います。これはハードコアだ。ネット情報によると、「峠」をお湯割にするため、わざわざ十割蕎麦を茹で、その蕎麦湯でお湯割にする原理主義者がいるそうな。その気持ちがなんとなくわかる。わかりたくないけれど。我輩はそこまでしないし、だいいちお湯割りで飲むことは滅多にない。 一杯だけストレートで飲む。クセがあるといえばその通り。あとは「草笛」に切り替えて、余韻と酔いを楽しむことにしました。 うん。「峠」はとてもいい。最初の一杯がたまらない。