雨の日の月曜日は、タイボスの送別会で江戸川台のゆずのき。注文したとたんに何を注文したのか忘れてしまい、出された料理は食べたとたんに何を喰ったか忘れてしまう無個性の通途の居酒屋ではなく、出された料理のことごとくが際立ち、ちょっとしたサプライズを秘めており、ゆえにしっかりと記憶に残り、楽しい印象を残すという優れた隠れ家的な場所です。立地は街道沿いの旧・主婦の店のお向かい。まずは角のハイボール。料理はといえば、鶏皮と大根の煮ものに、ねぎがたっぷりと載せられています。豚肉の三枚肉と冬瓜の煮ものも懐かしく嬉しい味です。ジャガイモサラダには刻みにんじんが花のように舞い、ぶりの刺し身カルパッチョにはねぎとみょうがのブレンド刻みが嬉しくなるくらいたくさんのっています。豚肉ミンチを包み焼きした外側の肉は、豚肉なのか鶏肉なのか迷うくらいの淡白さで、ソースが薄味なのに肉の臭みをことごとく丸めてしまっています。つけあわせはジャガイモとキャベツのソテーです。そして巨大なボウルにはやわらかい根菜類が山盛りで、ビネガーが薫ります。列席者の心暖まる談話と冗句がつながり、とても楽しい夜でした。