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カニ爪コロッケとカレーライス。大根とひき肉ときのこ煮。ヒロタのシュークリーム失踪事件。ジャックへの弔辞。

火曜日。午前中に買い物と、原村親善大使閣下宅に柿酒を届けました。お昼はフレンチトースト。BBにおかれては、「こんな美味しいものを食べたのは初めて」認定をされました。何回も食べているんだけど、それを言うと「私のいないところで食べているにちがいない・・・」となるので、「まいどおおきに。どぉぞご贔屓に。」と答えておきました。
午後は図書館でチルチンびとのOMソーラー特集。内容がスカスカなので3分で読み終わり、趣向をかえて中村元さんの「華厳経・楞伽経」を読了。「楞伽」って、スリランカのランカだったんだ。初めて知った。そのスリ・ランカ経の内容は、南海の島(まさにスリランカ)の凶暴な悪王が仏教に帰依して教えを乞うという話。

帰宅したらはなこが泣いています。内儀が東京の小田急百貨店の地下で買ってきたヒロタのシュークリーム。はなこは自分の分を大切にとっておいて、冷蔵庫にしまっていたのですが、それがなくなっていたのです。状況証拠から推して犯人はBB。夕食の席でそれを話題にすると、BBにはもちろん記憶も、したがって悪気もなく、「うるさい!」と定番フレーズを言いはなちました。BBの「うるさい!」に深い意味はなく、桃太郎侍の「ひとつ人世の生き血をすすり」とか子連れ狼の「冥府魔道」みたいなものですが、はなこはまた泣いてしまいました。BBにしてみれば記憶がいっさいないのに犯行を自分のせいにされたのですから、「ごめんなさい」ではなく「うるさい!」なのです。白州に引き出され遠山金四郎に「この桜吹雪が目にはいらぬかっ?」といわれても、きっと「うるさい。」ということでしょう。だって憶えてないんだもん。でも状況ここに至れば、幼稚園児だって「ごめんなさい」はいちおう言うだろうけどね。BBは末っ子だから。

我が輩は婿殿の立場上、内儀に対し、
「もういっかい東京にいってヒロタのシュークリームを買ってきておくれ。」
と言い、はなこに、
「スキを見せたらアカンのや。家にジャックがおると思わんとアカン・・・。」
という話をして、ジャックのことをなつかしく思い出しました。

おおジャック!我が友ジャック!伝説のサーファー犬ジャック!

ジャックというのはおなじみカレーシュー宅の家犬で、老衰でこないだ死んだので、すでに故人ならぬ故犬ですが、去勢をきっかけに食欲の鬼となり、手ならぬ前脚あたり次第になんでも食べてしまうという食欲をもっていました。クリスマスの鶏一羽ぶんをまるまる食べてしまったことはいまや伝説。鶏の骨?チョコレート?犬によってはオッケーみたいです。少なくともジャックはオッケーだった。うるさかったけれど、みんなに愛され人生ならぬ犬生を全うしたジャック。ご近所のビッチ(雌犬という言葉本来の意味なので念のため)にのっかったばっかりに、つまらぬ世間の事情で小指ならぬKン玉を詰められたジャック。我々にんげんはポンテオ・ピラトーのごとく手を洗うしかありません。
いまは放射能汚染海となった浜で厳しい訓練を受け、ゲイサーファー犬としてデビューしたジャック。我々はいい時代を、あの海で泳げる時代をともに過ごした。そして、厳しい訓練をともにした我が輩のことをぜーんぜん憶えていなかったジャック。食べて三歩歩けばすべて忘れてしまうジャック。

夕食はカニ爪コロッケとカレーライス。大根とひき肉ときのこ煮。

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