西友で売っている安いウィスキーをいろいろ試すプロジェクト。
いちばん安いなんたらという名前すら忘れたウィスキー(Muirhead。後日追記。)が、なんとTOMATINの醸造所によるブレンド。トマティンといえば、酒屋の高い棚で、アドベグとかラフレグたらいう銘柄の隣に並んでいるようなブランド。まるでサントリー山崎が「トリスもうちでつくってまんねん。」みたいなノリである。そういう庶民的なノリはかならずしも嫌いではない。京都の桂川のほとりで、湯豆腐を5000円で提供している料亭が、じつはスーパーで売ってる豆腐を使うてました、とかね。勝手な妄想やけど。
このたび勇気を出して(というよりもH&Bがほぼなくなったから)選んだ銘柄が、山梨県の笛吹の醸造所がイギリスから輸入した原酒を、笛吹の水で割ったという作品。
まずストレートで(ちょっとだけ)啜ってみる。うまい。H&B(のビンの残り)と比べても、うまい。つぎにソーダで割ってみる。トマティン醸造所の安ウィスキーは、ソーダで割ると味も香りもへったくれもない。笛吹(と便宜上呼ぶことにする)も似たようなものだ。いちおう酔うのだが、なにを飲んでいたのか忘れてしまう。角瓶だったかホワイトだったか?あれれ?わしアホになったんか?
それが安ウィスキーの宿命である。
シングルモルトをソーダ割りすると、そんなもったいないことをたまにやってもいいのだが、個性が長続きする。そこが全然ちがうところだ。ブレンドものをソーダで割ると、さすがのアイレイ・ミストですら、個性が薄まってしまう、アイレイ・ミストはラフレグ醸造所が、ラフレグ特有のヨード臭さを除去するためにブレンドしたもの。ストレートで飲むと、ダライ・ラマにベロチューされた少年みたく、至福である。(わいはぜんぜん至福と思わないが。)ところがソーダで割ると、なんだかぐいぐいと飲んでしまい、「あれ?今まで飲んでたのなんやったかいな?」というふうになる。もうジャニー喜多川さんの境地である。
わかった。ブレンドするにはブレンドする目標がある。終点でソーダ割りはあんまり想定されていない。そういうこっちゃ。
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