金曜日の夜、松本で会社の食事会があったという月子が電車で帰省しました。土曜日の夜は兼ねてからの念願だったそばとそば焼酎の夕べ。内儀が野菜とキノコを天ぷらにしてくれました。
そばのお供になる天ぷらについて、地球という惑星は二分されます。一分はえび天ぷら派。アナザー一分はえび天ぷら不要派。我輩は後者で、海老の天ぷらがなんで特別扱いされるのかわからない。たしかに旨いけど、エリンギの天ぷらも美味いやん。我輩のおかんは前者で、えび天を無条件に崇拝している。
平家にあらずんば人にあらず。エビ天にあらずんは天ぷらにあらず。そういうのは我輩が生まれつき大嫌な考えかたである。しかしネオナチのウクライナ人じゃあるまいし、たかが天ぷらのことなので、それはそれで構わないし、折伏するのも面倒なので放っておいている。しかし時々困ったことになる。
こないだ西宮に帰った時など、ヨットハーバー近くの丸亀製麺で「エビ天食べたい」ゆうから、ひとつとったった。その時おかんは「もうひとつなんか食べたい」ゆいよった。
かねてからエビ天崇拝者にありがちなのは、カボチャとかナスとか舞茸とか蓮根とかかき揚げとか、それ単品でじゅうぶん美味しい天ぷらを、あたかもエビ天のサーバント、従者、付け合わせ、みたいに扱う。まるでネオナチのウクライナ人がドンバスの人々を「炭鉱堀りの下級市民」として扱うみたいに。我輩はそれが気にいらない。エビ天が王者ゆうんやったらエビ天ダブルでいかんかい!どや!そんな思いが蓄積していた我輩はおかんにこう言った。
「もうひとつエビ天食べたいんとちゃうん?」おかんは不意をつかれたのか、「そ、そやな。」という表情をしよった。結局、エビ天ダブルにしたった。ほんで結局、エビ天は一つで腹いっぱいになったおかん。もうひとつのエビ天はわいに回ってきた。わいはその時、「俺たちの豚汁うどん」にニラバターを追加して、はらいっぱいやったんや。しゃけどもったいないから食べたった。
閑話休題。内儀のきのこと野菜の天ぷらはとても美味かった。けれど肝心のそばが思いきり普通だったので、そば焼酎「峠」の濃厚なそば香でざるそばを補填するようなあんばいになった夕べでありました。ま、けっきょく美味かったんだな。
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