金曜日の朝、いつものようにまつりの前をとおりかかったら、オヤジが外に出ていた。
「うちの孫の嫁ちゃんが今朝から陣痛で入院したんだ。ヒマゴだよ。ふたりめだ。こんどは男の子だと。」
「そりゃめでたい。おめでとうございます。」
孫というのはたぶん、まつりのとなりで水月整骨院をやっている体格のいい人だ。
「孫がひとりで朝めし喰っててさ、寂しいっていうんだよ。」
「あははは。いいじゃないの。めでたいことだし。」
「今日帰りに寄ってきな。」
帰りに立ち寄ったら、大根とたくあんがはいった袋が用意されていた。
ありがたい。ありがたいけれど、オヤジのたくあんは殺人的な臭いだ。
下諏訪の町に臭いをふりまきながら駅まで歩き、駅でジップロックに入れた。
ジップロックはいつもカバンに入れてあるのだ。
それにしても臭かった。抜群に旨いけど。
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