連休明けの月曜日の朝、いつものようにまつりの前を通りかかったら、オヤジが外に出ていた。挨拶をすると、
「ニーサン、お米をくれたかい?」
オヤジは我輩のことをときどきニーサンという。名前をしらないわけではないのだろうけれど、名前で呼ぶと他人行儀になるからかな。我輩もオヤジのことを田中サンなんて呼んだことがない。
「いや、さすがにコメは持ってこないなー。俺からはコレだよ。」
と、関寿庵で買った吹上焼酎を取りだした。
「いつもすまないねー。ありがとよ。」
「どういたしまして。それにしてもコメを置いていくなんて、奇特な人がいるね。いいなあ。」
「誰かわかんねーんだよ。食うわけにもいかないし。」
「食ったらいいんじゃないの?そのためにくれたんだろうし。」
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